レンズの詩学

アート批評、戦略論、雑感など

写真鑑賞論② 〜被写体の向こう側〜

前回の続き。じゃあ、どういう写真が「アート(表現)」といえるのか。その具体的な例示と読み解きをしてみようと思うんだわ。 www.pj2501.xyz ここに1枚の写真がある。まずはなんの先入観も持たずに眺めてみてほしい。 1970年代にアメリカで興った「ニュー…

追悼

昨日、ニュースで小林麻央さんの訃報を知った。 「強い女性だった」とか、「慈しみ深い生き方だ」とか。そんな陳腐な哀れみや同情を、安っぽい言葉にして口にすることすら憚れる。 「生きている意味はきっと多分探すっていう言葉と同じ意味だ 生きている意味…

写真鑑賞論① 〜それはアートではない!〜

「写真」との関わりはこれまでの記事で幾度か挙げてきた。写真というメディアの可能性、面白さというのは現存する芸術分野の中でも際立ったものでありながら、その魅力を十全に感じるには絵画や舞台芸術と同様に鑑賞者側にある程度のリテラシーとインテリジ…

音楽遍歴も、少しだけ…

音楽についても批評を展開したいと思ってるので、俺の音楽遍歴をちょこっと書いておくよ。今までの経歴と同様に側から見れば、兎にも角にも一貫した節操のなさが俺の持ち味といえるもので、翻れば興味関心の広さが俺の人格を形成してるとも言えるから。それ…

私の履歴書、思考の変遷②

それが沈む体を抱えて海に潜る理由か 映画「Ghost In The Shell:攻殻機動隊」より 誰かが言った。人生の悲劇はふたつしかない。ひとつは金のない悲劇。そしてもうひとつは金のある悲劇。 NHKドラマ「ハゲタカ」より 前回は1999〜2014年くらいまでの俺の辿っ…

私の履歴書、思考の変遷①

世の中は金だ。金が悲劇を生む。 NHKドラマ「ハゲタカ」より 金で幸福が買えるわけではないというのは、この世の真実のひとつだ。もうひとつの真実は、貧乏だと人は不幸になる、ということだが。 橘玲「マネーロンダリング」P.222より 生きる術としての「ア…

擦過者の視線:マレーシア見聞記

半年の沈黙を経ての投稿になってしもたよ…その間に何があったのかは、また後日談として。先月の話、商用でマレーシアに行ってきた。厳密にいうなら「旅」なんかではなく、視察とでも呼ぶべき「出張」だったんだが、すさまじい発展を遂げている新興国であり多…

サッカーと戦争論、ケガレ

今年も来たよ、高校サッカーの季節。 しかも常勝を誇る我が母校、滝川二高も2年ぶりの出場。さっそく今日、初戦となる秋田商業戦をテレビ観戦したんだわ。いやぁ、今年もいいチームつくってきたなー。6年前に全国制覇へ導いた栫監督が一昨年に辞任して、大丈…

生き方としてのクリエイティビティ

クリエイティブな生き方ってのが存在する。 2016年現在もいまだ現役のはずなんだけどさ、2005年に日本人として初めてのNHL契約選手となった福藤豊っていうアスリートがいる。NHLはカナダと米国にまたがる世界最高峰のプロアイスホッケー組織で、MLB、NBA、NF…

かぎりなき仄暗さの臨界 -映画『神々のたそがれ』-

「すべてが初めて見る画面という、異形の映画。ストーリーはゆったりと進むものの、画面上に写っている情報量は半端ない。絶え間なく隅々まで、あらゆることがひたすら同時に起こり、3時間、みっちり埋め尽くすカオス。」と、映画系女子こと真魚八重子も激賞…