レンズの詩学

アート批評、戦略論、雑感など

視覚言語をめぐる冒険

アート(芸術)としての写真の見方というものを『写真鑑賞論』と題して連載してるんだけど。それとは別シリーズとなるであろうこの記事は、その根本となるべき「鑑賞者の身体論」とでもいうべきものを言語化してみたいという試みの序章である。 www.pj2501.x…

俺のJiu-Jitsu事始め

なにやら物騒な話で恐縮なんだけど。ライフワークのクラヴマガと並行して、8月からブラジリアン柔術を習い出した。おかげで今や週6日をトレーニングと稽古に注ぎ込む日々だ。齢四十を前になんでまたそんな護身術ばかりのハードワークを、なんてこと言われち…

非・論理思考のサバイバル処世術

こうすれば成功するみたいな。チープで最大公約的に自己啓発を促したいワケじゃねえから、なんとなく流入しちまったって人たちはそのまま直帰していただいた方がいいかもな。ここに書いてあること、どう解釈するかはあんた次第だからさ。 「世界のエリートは…

写真鑑賞論③ 〜アートのカタチ〜

脱線ばっかで、ひさかたぶりとなる写真鑑賞論の第三弾。被写体の向こう側に透けて見える写真家の視点や観念、思想に着目せよというのが前回の記事での論旨だったんだけど。こむずかしいこと言ってるようで、実は。こむずかしく考えないように、ただ目の前の…

“井穴刺絡”の神秘

いつだったか、いわゆる自律神経の疾患を患って不眠症になったことがあった。心療内科に通ったりしてなんとか元の体質に戻すことができたのだが、その時から「休息法」が俺にとって大きな課題になった。 自律神経というのは交感神経と副交感神経という2つの…

今こそ日本語ラップは夜明けに還れ

約20年にわたって、その偉大すぎる背中を追い続けている孤高のサウンドクリエイター、DJ KRUSHがソロ活動25周年の節目にニューアルバムを発表した。11年の時を経て発表された昨年の『BUTTERFLY EFFECT』から矢継ぎ早のリリースとなった今作は自身初となるラ…

誰かに心酔するってのは“覚悟”が必要だ

最近、刺激のある知的インプットが少なかったので本屋に寄ってみた。なんだか好奇心を掻き立てるような魅惑的なトピックの本があんまし刊行されてないよんだよな。そりゃ感度のいいアンテナが何も受信しないワケだ。 それにひきかえ国際情勢や外交もの、経済…

格闘技はじめましたって話

今年に入ってから護身術を習っている。イスラエル生まれの近接戦闘術、クラヴマガっての。最強の諜報機関と名高い同国のモサドはもちろんCIAやFBIも採用してるって話で、目突き・金的をも想定した別名「イスラエル柔術」といわれる超実戦的な武術なんだわ。 …

国際関係論で観るワールド・サッカー

来年のワールドカップの行方をうらなう前哨戦、コンフェデレーションズカップもいよいよ大詰めで4強が出揃った。個性際立つ監督たちの手腕と世界トップレベルのテクニシャンがしのぎを削る欧州リーグも好きなんだけど、なんといってもお国柄が顕著に出るナシ…

写真鑑賞論② 〜被写体の向こう側〜

前回の続き。じゃあ、どういう写真が「アート(表現)」といえるのか。その具体的な例示と読み解きをしてみようと思うんだわ。 www.pj2501.xyz ここに1枚の写真がある。まずはなんの先入観も持たずに眺めてみてほしい。 1970年代にアメリカで興った「ニュー…

追悼 ー小林麻央という生き方

昨日、ニュースで小林麻央さんの訃報を知った。 「強い女性だった」とか、「崇高な生き方だ」とか。そんな陳腐な哀れみや同情を、安っぽい言葉にして口にすることすら憚れる。 「生きている意味はきっと多分探すっていう言葉と同じ意味だ 生きている意味は …

写真鑑賞論① 〜それはアートではない!〜

「写真」との関わりはこれまでの記事で幾度か挙げてきた。写真というメディアの可能性、面白さというのは現存する芸術分野の中でも際立ったものでありながら、その魅力を十全に感じるには絵画や舞台芸術と同様に鑑賞者側にある程度のリテラシーとインテリジ…

音楽遍歴も、少しだけ…

音楽についても批評を展開したいと思ってるので、俺の音楽遍歴をちょこっと書いておくよ。今までの経歴と同様に側から見れば、兎にも角にも一貫した節操のなさが俺の持ち味といえるもので、翻れば興味関心の広さが俺の人格を形成してるとも言えるから。それ…

私の履歴書②

それが沈む体を抱えて海に潜る理由か 映画「Ghost In The Shell:攻殻機動隊」より 誰かが言った。人生の悲劇はふたつしかない。ひとつは金のない悲劇。そしてもうひとつは金のある悲劇。 NHKドラマ「ハゲタカ」より 前回は1999〜2014年くらいまでの俺の辿っ…

私の履歴書①

世の中は金だ。金が悲劇を生む。 NHKドラマ「ハゲタカ」より 金で幸福が買えるわけではないというのは、この世の真実のひとつだ。もうひとつの真実は、貧乏だと人は不幸になる、ということだが。 橘玲「マネーロンダリング」P.222より 生きる術としての「ア…

擦過者の視線:マレーシア見聞記

半年の沈黙を経ての投稿になってしもたよ…その間に何があったのかは、また後日談として。先月の話、商用でマレーシアに行ってきた。厳密にいうなら「旅」なんかではなく、視察とでも呼ぶべき「出張」だったんだが、すさまじい発展を遂げている新興国であり多…

サッカーと戦争論、ケガレ

今年も来たよ、高校サッカーの季節。 しかも常勝を誇る我が母校、滝川二高も2年ぶりの出場。さっそく今日、初戦となる秋田商業戦をテレビ観戦したんだわ。いやぁ、今年もいいチームつくってきたなー。6年前に全国制覇へ導いた栫監督が一昨年に辞任して、大丈…

生き方としてのクリエイティビティ

クリエイティブな生き方ってのが存在する。 2016年現在もいまだ現役のはずなんだけどさ、2005年に日本人として初めてのNHL契約選手となった福藤豊っていうアスリートがいる。NHLはカナダと米国にまたがる世界最高峰のプロアイスホッケー組織で、MLB、NBA、NF…

かぎりなき仄暗さの臨界 -映画『神々のたそがれ』-

「すべてが初めて見る画面という、異形の映画。ストーリーはゆったりと進むものの、画面上に写っている情報量は半端ない。絶え間なく隅々まで、あらゆることがひたすら同時に起こり、3時間、みっちり埋め尽くすカオス。」と、映画系女子こと真魚八重子も激賞…

漫画キングダムを支配する大戦略

先日、録りためていた地上波のテレビ番組を整理していたら情熱大陸が漫画家・原泰久だったので見てしまった。 基本的に漫画はほぼ読まないんだけど、NHKでのアニメ版を見たことから『キングダム』にすっかりハマってしまい、以来ずっと読み続けている。もと…

芸術は現実を模倣する

古典芸能とジャズになぜか魅かれてしまう。以下は数年前に京都・平安神宮での薪能を観に行きたくて、仲間内で観劇ツアーを企画したのだけれど、思いのほか人数が集まってしまったため急遽用意した小冊子で、能楽鑑賞の手引きになっている。で、冒頭の一文の…

新たな時代の言語コミュニケーション

以下は「現代における言語コミュニケーションとは」というお題で、数年前に某所からコメントを求められ1000文字でまとめた論考。字数制限があったので問題意識のみにフォーカスし、具体的な対応策には言及していない。しかし、ここで書いた状況は2、3年を経…

Border -境界線-

ただ他人よりも多く金を稼ぐことでしか働く意味を見出せず、あくせく走り続けてきた自らの人生に嫌気がさした時期があった。 見栄えのする高級スーツにネクタイ、聴こえのいい横文字の職業と肩書き。 このまま走り続けたところで一体何が残るというのだろう…

革命的批評宣言

企業のネットが星を覆い、電子や光が世界を駆け巡っても、国家や民族が消えてなくなるほど情報化されていない現代 俺らは一体、次の時代に何を残せるというのだろう… 「僕は耳と目を閉じ口を噤んだ人間になろうと考えたんだ。だが、ならざるべきか(I thought…